<「地球の歩き方 ニューヨーク」 2006 年‐ 2007 年版>から抜粋

駅がステージ!人々を魅了する演奏 "YAZ BAND"

 たくさんの人垣の中から聞こえてくる陽気なジャズの音楽。ここはNYの地下鉄駅構内だ。演奏しているのは高木靖之さん率いる YAZ BAND 。 2002 年に結成し、ミュージック・アンダー・ニューヨーク( MUNY )のオーディションに合格。それ以来、週 2 回の地下鉄駅構内のライブを中心に活動している。

 YAZ こと高木靖之さんは、幼い頃から父親のジャズコレクションを聞きながら育った。とはいうものの音楽の専門的な教育は受けることはなく、 高知大学に入って初めてサックスを手にした。 卒業後、大阪に戻り、知的障害者のための職業訓練施設で働いたが、音楽をあきらめきれなかった彼は 1992 年にNYへ。しかし、ジャズの本場は甘くない。NYのジャズミュージシャンの高い技術を目の当たりにして自信を失った。そんなある日、セントラル・パークでの練習中、 Rob Scheps というサックスプレーヤーと出会う。 Rob のレッスンを受けながら、皿洗いのアルバイトをし、帰宅後アパートの地下室で朝まで練習する日々が続いた。永住権取得後は、夜に音楽活動ができるよう、日系の旅行会社で働き始める。ジャムセッションやストリートで演奏を重ねるうち、ニューヨークで活動する Joy Ryder & New York Rhythm Allstars, Sly Geralds Band, Since When? などのバンドに誘われ、レギュラーメンバーとして演奏するようになった。しかし、 2001 年の同時テロが彼の運命を変えた。旅行会社を首になり、フルタイムミュージシャンになる事を決意、ストリートの演奏を続けた。

  02 年、メトロポリタン交通局主催の MUNY のオーデイションに見事パスし、地下鉄駅構内で演奏する許可を取得した。演奏は、 サックス、キーボード、ベース、ドラムの 4 名編成で行っている。ストリートで彼らが演奏をはじめると、みるみる人垣ができてゆく。 しばしばメディアにも取り上げられ、' 04 年 2 月にはNYのテレビ局 FOX5 のニュース番組に、 6 月には日本の週刊誌 AERA にも載った。さまざまなイベントでも演奏し、‘ 05 年 2 月には 2 枚目のCD「 You Can't Say It In Public 」が完成した。現在も精力的に活動している 。

 

 
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